【IDA】ドローンを守るバッテリーの保管方法と、膨らんだバッテリーの捨て方
この記事は2019年5月当時の内容をもとに再掲載しています。最新の情報はIDAの講習でご確認ください。
普段、ドローンやバッテリーをどのように保管していますか?
地味なテーマですが、ドローンを安全に楽しむうえでとても大切なのがバッテリーの管理です。この記事では、国際ドローン協会(IDA)として、バッテリーの保管方法と、膨らんでしまったバッテリーの見分け方・捨て方をまとめてお伝えします。
目次
ドローンのバッテリーは「リチウムイオン電池」の仲間
多くのドローンには、リチウムイオンポリマー電池(LiPo、リポ)が使われています。LiPoはリチウムイオン電池の一種で、スマートフォンやノートパソコンにも使われている、小さくて軽いのに大きな力を出せる電池です。ドローンが小型でも長く空を飛べるのは、この電池のおかげです。
一方で、リチウムイオン電池には燃えやすい電解液が入っています。強い衝撃、高温、過充電、ショート(短絡)などが重なると、発熱や発火につながるおそれがあります。製品評価技術基盤機構(NITE)にも、リチウムイオン電池を使った製品の事故が毎年多く報告されていて、特に気温が上がる夏場に増える傾向があります。
とはいえ、正しく扱えば必要以上に怖がることはありません。ポイントを押さえておきましょう。
万が一を起こさない、バッテリーの保管方法
メーカーの安全ガイドライン(例:DJIのインテリジェントフライトバッテリー安全ガイドライン)でも、おおむね次のような保管方法がすすめられています。お使いの機体の取扱説明書もあわせて確認してください。
- 長く使わないときは「40〜60%くらい」で保管:満充電のまま、または空っぽのまま長期間置いておくと、電池が傷みやすくなります。10日以上使わない場合は、40〜60%程度にしておくのが目安です。多くのスマートバッテリーには、しばらく使わないと自動で放電して保管に適した残量まで下げる機能もあります。
- 空っぽのまま放置しない:使い切った状態で長く置くと、過放電で電池が使えなくなることがあります。
- 涼しく乾いた場所で:理想の保管温度は22〜28℃前後とされています。ストーブなど熱源の近くや、夏の車内には絶対に置かないでください。
- 機体から外して保管:長期間しまっておくときは、バッテリーを機体から取り外しておきます。
- 金属から離す:端子がカギや工具、アクセサリーなどの金属に触れるとショートのおそれがあります。
- 落とさない・重いものを載せない:強い衝撃や圧力は内部ショートの原因になります。墜落や強い衝撃を受けたバッテリーは、見た目に問題がなくても使用を控えましょう。
- 子どもやペットの手の届かない場所に。
本数が多い方は、耐火性のあるバッテリーケースやバッグ(リポバッグ)にまとめて保管すると安心です。充電するときも、燃えやすいものの近くを避け、目の届くところで行いましょう。飛行直後の熱いバッテリーは、少し冷ましてから充電するのが基本です。
バッテリーにも「寿命」があります
LiPoは充電と放電を繰り返すうちに、少しずつ劣化していきます。劣化が進むと、満充電にしても飛べる時間が短くなります。このあたりはスマートフォンのバッテリーと同じです。
どれくらいで寿命になるかは、使う頻度、保管のしかた、温度などによって大きく変わるため、一概には言えません。最近の機体は、アプリでバッテリーの充電回数や状態を確認できるものが多いので、定期的にチェックする習慣をつけておきましょう。
膨らんだバッテリーは、すぐに使用をやめる
劣化したり傷んだりしたバッテリーは、見た目にも変化が出ることがあります。下の写真は、以前IDAで使っていたバッテリーです。左側のバッテリーが膨らんでいるのがわかるでしょうか。
膨らんだリチウムイオン電池の中には、燃えやすいガスがたまっています。NITEも、膨らんだ電池に衝撃や力が加わったり、さらに充電したりすると発火するおそれがあると注意を呼びかけています。次のような状態に気づいたら、すぐに充電・使用をやめてください。
- 膨らんでいる、ケースが浮いている、変形している
- 以前より異常に熱くなる、焦げたようなにおいがする
- 充電できない、急に残量がなくなる
- 墜落や落下などで強い衝撃を受けた、水に濡れた
膨らんだバッテリーを押して元に戻そうとするのは大変危険です。そのまま、燃えやすいものから離した場所に置いておきましょう。
膨らんだバッテリーの捨て方
リチウムイオン電池を燃えるごみや不燃ごみにそのまま混ぜるのは、絶対にやめてください。ごみ収集車や処理施設で押しつぶされて発火し、火災につながる事故が多く起きています。
- まずは自治体に確認:膨らんだ・壊れた電池の扱いは、お住まいの自治体によって異なります。清掃事務所やごみ処理施設に直接持ち込む形の自治体も多いので、自治体のホームページや窓口で確認するのが確実です。
- メーカー・販売店に相談:購入したメーカーや販売店のサポートに、回収方法を問い合わせるのも一つの方法です。
- 端子をテープで絶縁:持ち込むときは、端子部分をビニールテープなどで覆ってショートを防ぎます。
なお、家電量販店などにある小型充電式電池の回収ボックス(JBRC)は、膨らんだり壊れたりした電池は回収の対象外です。正常なバッテリーでも、リサイクルマークがあり、JBRCの会員企業の電池であることが条件になります。対象かどうかは、JBRCのホームページで確認してください。
「塩水に浸けて放電」はおすすめしません
ラジコンやドローンの世界では、昔から「LiPoは塩水に浸けて放電してから捨てる」と言われてきました。しかし今では、この方法はおすすめできません。
- 端子がさびて先に壊れ、中に電気が残ったままになることがある
- 水素などのガスが出たり、破損した電池では有害な物質が出たりするおそれがある
- JBRCでも「水没・塩水に浸けた電池」は回収の対象外としている
メーカーのガイドラインでは、正常なバッテリーは使い切って(放電して)から決められた回収先へ出すことがすすめられています。膨らんだものや壊れたものは自分で処理しようとせず、自治体やメーカーの指示に従いましょう。
まとめ
- 長く使わないバッテリーは、40〜60%程度で、涼しく乾いた場所に保管する
- 高温・衝撃・金属との接触を避け、充電は目の届くところで
- 膨らみ・発熱・においなどの異常があれば、すぐに使用をやめる
- 膨らんだバッテリーは一般ごみに出さず、自治体やメーカーに確認して処分する
バッテリーを大切に扱うことは、機体を守ることにも、周りの人の安全を守ることにもつながります。今日から、ご自宅のバッテリーをぜひ一度チェックしてみてください。
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参考情報
- 製品評価技術基盤機構(NITE)「リチウムイオン電池搭載製品」の事故を防ぐ「3つのC」(PDF)
- NITE「ごみ捨て火災」、被害は100億円超え!~充電式電池は正しく捨てましょう~
- 一般社団法人JBRC「排出方法(回収対象、対象外説明)」
- DJI「Intelligent Flight Battery Safety Guidelines」(英語・PDF)






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