設計データをすべて公開。ベルギー発のFPVパーツ「OpenDrone」の使い方とメリット、別に用意したい機材
こんにちは、国際ドローン協会(IDA)です。
FPVドローン(ゴーグルを着けて、機体に乗っているような目線で飛ばすドローン)は、パーツを選んで自分で組み立てる楽しみがあるのも魅力です。今回は、ベルギーのスタートアップ企業が2026年10月に発表したFPV用パーツ「OpenDrone(オープンドローン)」をご紹介します。最大の特徴は、基板の設計データをすべて公開していることです。

OpenFC Lite(20×20サイズのフライトコントローラー)。画像出典:OpenDrone公式サイト(https://opendrone.be/products/openfc-lite)
目次
OpenDroneとは
OpenDroneは、ベルギー・ルーヴェンのIncutec(インキュテック)社が販売するFPVドローン用パーツのシリーズです。同社は2026年6月に設立された新しい会社で、2026年10月2日に正式なスタートを発表しました。
FPVドローンでは、機体を制御するソフト(Betaflightなど)は以前からオープンソースで公開されてきました。一方で、それを動かす基板の回路図はほとんど公開されていません。OpenDroneは、この「ハードウェアの部分」も公開しようという取り組みです。ラインナップは次の5種類です。
- OpenFC Lite:機体の頭脳にあたるフライトコントローラー(20×20/30×30の2サイズ)
- OpenESC:4つのモーターを動かす基板(ESC)。ソフトはAM32
- OpenRX:送信機(プロポ)の電波を受ける受信機。方式はExpressLRS(Lite/Lite-UFL/Mono/Gemini)
- OpenFrame:カーボン製のフレーム(3インチ・5インチ)
- OpenMotor:モーター(3インチ用・5インチ用)
どんな使い方ができるのか
OpenDroneは完成品のドローンではなく、パーツを組み合わせて自分で機体を組み立てるための製品です。公式サイトには、1機分のパーツをまとめてカートに入れられる「ビルド」の一覧があり、たとえば5インチ機ならフレーム、フライトコントローラー、ESC、モーター4個、受信機、プロペラ4セットがそろいます。持っているパーツは外して注文することもできます。
フライトコントローラーには、Raspberry Piの半導体(RP2354)が使われ、飛行の記録をmicroSDカードに残す機能もあります。フレームには、アナログ・DJI・Walksnail・HDZeroの各方式のカメラに合わせた取り付け部品が付属するため、好きな映像システムを選んで組み合わせられます。

OpenESC(20×20サイズのESC)。画像出典:OpenDrone公式サイト(https://opendrone.be/products/openesc)
メリット
- 中身が分かる:フライトコントローラー、ESC、受信機の設計データ(KiCadという設計ソフトのファイル)が、CERN-OHL-Sというオープンハードウェアのライセンスで公開されています。仕組みを調べたり、故障の原因を確かめたりしやすくなります。
- 会社がなくなっても続けられる:公式サイトでは、もし会社がなくなってもデータは手元に残り、誰でも作り直せると説明しています。
- 学びの教材になる:回路やプログラムを実物と見比べられるため、ものづくりや電子工作を学ぶ方にも向いています。データはGitHubで公開され、Discordでは利用者同士の情報交換も行われています。
必要なスペックと、別に用意するもの
公式サイトでは、OpenDroneのパーツに加えて次のものを自分で用意するよう案内しています。
- 送信機:ExpressLRS 2.4GHzに対応したもの(内蔵またはモジュール)
- 映像システム:カメラ、映像送信機(VTX)、ゴーグル
- バッテリーと充電器:機体に合ったセル数のリポバッテリーと、バランス充電器
- はんだごて:モーターやバッテリーの線は、ESCにはんだ付けします
- パソコン:Betaflightでフライトコントローラーを設定します
使えるバッテリーの目安は、OpenFC Lite(20×20)が3〜6セル、OpenESC(20×20)が2〜6セルです。5インチ用モーター(2306)は6セル用と4セル用から選べます。なお、モーターは製造元を選定中のため、仕様が変わる可能性があるとされています。
はんだ付けや設定の知識が必要なため、初めての方は、まず完成品の機体やシミュレーターで操縦に慣れてから挑戦するのがおすすめです。また、日本でFPVドローンを飛ばすには、機体登録のほか、電波について無線の資格や手続きが必要になる場合があります(詳しくはIDAの講習でご案内しています)。

OpenRX Mono(受信機)。画像出典:OpenDrone公式サイト(https://opendrone.be/products/openrx)
価格と発送時期
公式サイトの早期予約価格(米ドル表示、2026年10月21日時点)は、5インチ機1機分のパーツ一式で384ドル、3インチ機で285ドルです。予約の数に応じて価格が上がる仕組みで、早い注文ほど最大20%安くなります。
- 第1弾:OpenFC LiteとOpenESCは、2026年11月上旬にベルギーからEU域内へ発送予定(EUのみ)
- 第2弾:そのほかの製品は予約制です。2026年12月15日までに目標数に達すれば、2027年3月31日までに発送予定。達しなかった場合は、返金か待つかを選べます。
日本への発送について:公式サイトでは、EU・米国以外にも「注文画面で選べる国」へ予約分を届けるとしていますが、日本が対象かどうかは公式の案内文では確認できませんでした。EU・米国以外では、関税などを受け取る側が支払う場合があるとされています。価格や時期は変わる可能性があるため、購入前に必ず公式情報をご確認ください。
まとめ
OpenDroneは、「中身まで見えるパーツ」でFPVドローンを組み立てるという、新しい選択肢です。自分で組み立てる機体は、仕組みを理解するほど安全に、そして長く楽しめます。まずは基本の操縦と正しい知識を身につけるところから始めてみてはいかがでしょうか。
ドローンを安全に、もっと楽しく
国際ドローン協会(IDA)では、初めての方でも基礎から学べるドローン講習を行っています。機体の選び方や、安全に飛ばすための考え方も、講習で丁寧にお伝えしています。
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アイキャッチ画像出典:OpenDrone公式サイト(https://opendrone.be/products/openfc-lite、https://opendrone.be/products/openesc)
参考情報
- OpenDrone公式「OpenDrone Is Live!」(2026年10月2日、英語、製品構成・発送時期・ライセンス)
- OpenDrone公式 予約ページ(英語、価格・目標期限・発送予定)
- OpenDrone公式「OpenFC Lite」製品ページ(英語、仕様)
- OpenDrone公式「OpenESC」製品ページ(英語、仕様)
- OpenDrone公式「OpenRX」製品ページ(英語、仕様)
- OpenDrone公式「OpenFrame」製品ページ(英語、仕様・5インチ機のパーツ一式価格)
- OpenDrone公式「OpenMotor」製品ページ(英語、仕様・3インチ機のパーツ一式価格・別に用意するもの)
- OpenDrone公式「Shipping & Delivery」(英語、発送先・関税)
- OpenDrone公式「Open Source」(英語、会社概要・公開の考え方)
- OpenDrone GitHub(設計データ)
- 総務省 電波利用ポータル「ドローン等に用いられる無線設備について」
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