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25kgの苗木や資材を急斜面の上へ。林業向け運搬ドローン「軽助25」の使い方とメリット、必要な機材

伐採のあとに木を植え直す「再造林」の現場では、苗木や獣害防護ネットなどの資材を、林道から急な斜面を何度も往復して人が運んでいます。この「山の中の運搬」を空から担うのが、林業向けの運搬ドローンです。

産業用ドローンメーカーのマゼックス(大阪府東大阪市)は、最大25kgを運べる運搬用ドローン「軽助25(かるすけ にじゅうご)」を2026年6月29日に発売し、9月1日以降、順次出荷を始めています。7月には住友林業と連携し、同社のネットワークを通じて林業事業体へ紹介する体制も発表しました。使い方とメリット、そろえる機材とスペックの目安を、メーカー公式の情報で整理します。

軽助25とは? 荷物を吊り下げて運ぶ「現場の運び手」

軽助25は、機体の下に荷物を吊り下げて運ぶ運搬用ドローンです。マゼックスと住友林業が共同開発した林業向け運搬ドローン「森飛(もりと)」シリーズの技術を受け継ぎ、「導入しやすい価格」と「現場での使いやすさ」を追求したシリーズとして位置づけられています(住友林業・マゼックス共同ニュースリリース(2026年7月17日))。メーカーが公表している主な仕様は次のとおりです(マゼックス 軽助25製品ページ)。

  • ペイロード(最大積載重量):25kg
  • 機体重量:24kg(バッテリーを含まず)
  • 展開時寸法/収納時寸法:1570×1570×650mm/875×805×810mm
  • 飛行時間:23分(ペイロードなし)
  • 操作可能範囲:1km
  • 最大速度:25km/h
  • 耐風性能:7m/s
  • 防水防塵性能:IPX4相当
  • 自動航行:A-B間(2地点間)
  • 運搬方式:吊り下げ方式

飛行時間は荷物を積まない状態の値で、積載時の値は公表されていません。

どんな使い方をするのか

想定されている用途は、林業・建設・土木の現場での運搬です。林業では苗木のほか、獣害防護ネットやツリーシェルターなどの資材、作業者の食料品や飲料水も運べるとされています。建設や土木では、山間部や高低差のある現場への工具・部材・測量機材・安全用品などの搬送が挙げられています(マゼックス プレスリリース(2026年6月29日))。

基本的な流れは、林道など車で行ける場所で荷物を吊り下げ、登録しておいた2地点の間を往復させるというものです。メーカーの説明では、軽助25の基本機能は上位機の「軽助55」と同様とされ、シリーズには次のような運搬向けの工夫があります(マゼックス 軽助55製品ページ)。

  • 自動切り離しフック:荷物が地面に着くと自動でフックが開くため、着陸しにくい斜面でも荷下ろしができ、作業者が飛行中の機体に近づかずに済みます。
  • 共振防止装置:吊り下げた荷物の揺れを吸収し、加速やブレーキで揺れが収まらなくなる状態を抑えます。
  • 2オペレーション機能:2台の送信機で1台の機体を操縦し、飛行中に出発点の操縦者から到着点の操縦者へ操縦を引き継げます。木々や地形で見通しが悪い現場向けの機能です。

林業の急斜面で資材を吊り下げて運ぶドローンのイメージ(AI生成)

導入のメリット

重い荷物を背負って斜面を往復しなくてよい

住友林業とマゼックスは、運搬をドローンに置き換えることで、苗木や資材の運搬の省力化、急斜面での転倒・滑落リスクの低減、植栽や保育作業への人員の集中、作業時間の短縮が期待できるとしています。人手不足と高齢化が進む林業では、運搬を機械に任せることが働く人の安全にもつながります。

導入しやすい価格と、取り回しやすいサイズ

軽助25の希望小売価格は190万円(税抜、税込209万円)からです。同じ25kgクラスの「森飛25」の263万円(税抜)より抑えられ、機体も森飛25より小型化されました。上位機の軽助55(最大55kg)も2026年6月26日に350万円から250万円(いずれも税抜)へ価格が改定されています(マゼックス 軽助55価格改定のお知らせ)。軽助55の製品ページでは、コンテナ苗12,000本(総重量約1,800kg)を直線距離約500m先の現場まで運んだ事例が紹介されています。

バッテリーを回して、作業を止めない

軽助25はバッテリー2本で飛び、2ペア(4本)を交互に使う設計です。1ペアで飛んでいる間にもう1ペアを充電し、その待ち時間に荷物の積み下ろしや次の準備を進めることで、作業のリズムを崩さずに運搬を続けられます。

導入に必要な機材とスペックの目安

運搬ドローンは機体だけでは回りません。メーカーの情報をもとに、そろえるものを整理します。

  • 機体と送信機:送信機はFUTABAの16IZで、2プロポ仕様です。見通しの悪い現場で2人で操縦を引き継ぐ運用を考えるなら、操縦者2人分の体制も必要になります。
  • バッテリー2ペア(4本)と充電環境:バッテリーは20000mAhを2本で使います。山の中には電源がないことが多いため、メーカーは指定のバッテリー・充電器・発電機の組み合わせを案内しており、軽助25のプレスリリースでは発電機1台・充電器2台の構成から始められるとしています。
  • RTK(オプション):GPSに加えてRTK基地局の信号を使うことで、山間部でも安定した自動飛行をしやすくなります。
  • 運ぶ荷物の重さと距離の確認:1回に運べるのは最大25kg、操作可能範囲は1kmです。苗木の本数や資材の重さ、林道から植栽地までの距離が、この範囲に収まるかが機種選びの目安になります。もっと重いものを運ぶ現場では、最大55kgの軽助55が選択肢になります。
  • 気象条件:耐風性能は7m/s、飛行可能温度は5〜40℃です。冬の山や風の強い尾根での運用を考える場合は、この範囲を確認しておきましょう。

マゼックスは、導入前の相談やドローン保険、飛行申請、点検・メンテナンスなどのサポートも案内しています。

人が背負って運んでいた苗木や資材を、空から届ける。運搬ドローンは、物流ドローンの中でも「山の中のラストワンマイル」を担う道具です。価格が下がり扱いやすくなったことで、建設・土木の現場にも広がっていきそうです。

※業務での運搬飛行には、許可・承認などが必要な場合があります。基礎から学びたい方はIDAの講習をご活用ください。

出典

IDAで、業務につながるドローンの知識と技術を

国際ドローン協会(IDA)では、IDA無人航空機教習所(国土交通省 登録講習機関)をはじめ、物流や点検など仕事での活用を見すえた講習を行っています。

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